将棋大賞 羽生善治三冠が14度目の最優秀棋士賞

2005年度の成績を対象とする第33回将棋大賞が3月31日に発表されました。選考会の模様などは来月発売の将棋世界に掲載されると思います。

これまでの殊勲賞・技能賞が廃止され、かわりに優秀棋士賞が新設されました。最優秀の次点という位置づけは変わりませんが、これによって真のトップ棋士にとって三賞は格落ちなので授賞しにくいというような風潮をなくすことを狙っているのだと思います。どうして敢闘賞だけが残ったのかはよくわかりませんが。

新人賞は年度最高勝率の佐藤紳哉五段。普通に強い棋士であまり新人という感じがなかったので、予想したときは考慮から外れていました。年齢的にはぎりぎりですが妥当なところかと。最優秀女流棋士賞が清水市代女流二冠でなかったのは意外でした。女流名人位は他のタイトルよりも格上みたいな話はないと思っていたのですが、年度後半の活躍の印象が濃かったということでしょうか。

升田幸三賞で後手一手損角換わりが受賞したのは遅すぎる気もしますが良かったと思います。ただ、誰が受賞すべきかは判断が難しいところで、升田幸三賞@将棋パイナップルでの選考委員のよみくま氏による書き込みによると、淡路仁茂九段か青野照市九段かで意見が割れたそうです。この戦法の生い立ちはよく知らないのですが、両者とも貢献が大きかったのであれば2人同時受賞でもよかったのではないかと思いました。この2人は今回特別賞の森下システムの発展にも関わっており複雑ですね。