テレビ将棋の感想戦

気付いていなかったのですが4月29日付でこんな記事がありました。メールでお知らせ下さった方、ありがとうございました。

木村一基七段の感想戦は、私も見ていて感心しました。横歩取り8五飛戦法で短手数で終わったため感想戦の時間が長かったということもあったのでしょうけども、内容の濃い感想戦でした。特筆すべきなのは、視聴者を意識してはっきりした発声で見解を述べていたこと。それに、変化手順を示すだけでなく、その局面で対局時にどう読んでいたのか、どういう大局観を持っていたのかをきちんと話してくれること。そういったことが、感想戦を放送する意義を高めていました。

細かいことをいえば、変化手順を確認するときに、口で言うだけではなく駒を動かすことが徹底されていませんでしたが、そこまで対局者に要求するのは現状ではぜいたくというものでしょう。前任の千葉涼子女流王将は、そんなときも口をはさんで並べるようにさせていましたので、横にいる人がもっとサポートすればよかったのかなと思います。

これが数分なら、普段通りの感想戦でもかまわないと思います。それだとテレビを見ている人の大半は何が行われているのかわかりませんが、世の中にはわけのわからないものもあるという楽しみ方もできますので。

ただ、対局後の大盤解説までは私は要求したくはありません。対局者は対局後は相当疲労しているでしょうし、特に負けた棋士は誰ともしゃべりたくないことも多いと思います。対局者には対局に集中してもらって、解説は解説者の役割ということで私は構わないと思っています(そのかわり時間をおいた後で観戦記者の質問にはきちんと答えてもらうことが前提ですが)。もちろん、ファンサービスのために考えて行動してくれるのではあれば、それはうれしいことなのは言うまでもありません。