白瀧あゆみ杯で11歳の小学生が勝利

8日、東京都内で開かれた「2006白瀧あゆみ杯争奪 U―20女流トーナメント」1回戦で小学6年生の加藤桃子さん(11)が貞升南女流プロ2級(20)を破った。日本将棋連盟によると、将棋祭りなどのイベントを除く大会で、小学生が女流プロに勝つのは極めて異例。

6月16日に白瀧呉服店主催の若手女流棋士大会で紹介した2006白瀧あゆみ杯争奪戦 U-20女流トーナメントは選抜された8名の女流棋士・女流アマのトーナメント戦となりました。1回戦は8月7〜9日の東急東横店将棋まつりの中で行われました。(非公式戦の扱いだと思います。)

その中の一戦▲貞升南女流2級 対△加藤桃子アマの対局は100手で後手の勝ちでした。「小学生がプロに勝利」ということでスポーツ紙などでも大きく取り上げられたようです。棋譜は見ていませんが、慣れないはずの注目を集める舞台で実力を発揮できたのはすごいことですね。もし本人が希望するのなら、将来女流棋士になれる可能性が高いと思います。

それをふまえた上での話となりますが、これだけで「天才」と持ち上げるのは早すぎると思います(例えば女流タイトルを取れるかというとこれからの成長次第と言うしかないと思いまし、奨励会に入って男性に混じってプロ四段になれるかというとだいぶ難しいと思います。)。女流棋士という制度は男性棋士とは別でプロともプロでないともいえるような微妙な存在になっており、男性棋士に対抗できるような強い女流棋士がいる一方で、男性棋士には実力が遠く及ばない女流棋士も多数います。また、男性棋士よりも層が薄いので、実力がまだ伸びきらない中学生くらいのうちに女流棋士になることも珍しくありませんし、過去には小学生で女流棋士になった人もいて、そういう意味では女流棋界はアマとプロの差が小さいと言えます。貞升女流2級は通算勝率がおよそ4割5分で、まあ平均的なところですが、このクラスだとそういうことも起こっても不思議ではないだろうという気はしました。このあと優勝まで行けたら本当にすごいですね。