チェス世界チャンピオン戦 その後の状況
少し間を置いたら事態がどんどん進行してしまいました。日本語の情報はチェスドクターの日々と戎棋夷説を見ていますが、よく知ろうと思ったら英語のページを見ることが不可欠です。私はChessBase.comと公式サイトのWorld Chess Championship 2006を中心に見ているだけです。(なお、以下の記述の日付は原則として現地時間に基づきます。)
- 対局は再開され、第6・7局が引き分け、第8・9局がトパロフの勝ち。トパロフが3勝2敗4分で1ポイントのリードとなっています。
- 10月2日付でAppeals Committeeの新しいメンバーが選任されました。
- 10月2日付で、著名なグランドマスターなど多数が連名でクラムニクを支持する文書を発表しました。(Open letter of support to Vladimir Kramnik)
- 10月4日の第7局が始まる15分前に、この問題を引き起こした張本人であるダナイロフ(トパロフ側のmanager)がクラムニクとコンピュータソフトの指し手が一致する割合が高いと主張しました。(Silvio Danailov accuses Kramnik of using Fritz 9)(この意見はまともに取り合われていないようです。)
- クラムニク側のmanagerは、トパロフ側がクラムニクの休憩室やトイレに何かを仕掛ける可能性があると主張しました。(Hensel: 'They may try to plant a device in Kramnik's room')
- FIDE会長代行のマクロプロスによれば、クラムニクが1局に50回以上トイレに立ち入ったというトパロフ側の主張は誇張されたものであり、実際はその半分以下だったということです。(Makropoulos on the World Championship Crisis)
日本語で下のような記事が出て誤解している方もいると思いますが、現在のところ以上のような経過をたどっています。
- チェス世界一決定戦、トイレ休憩をめぐって対立(エキサイトニュース)
追記:第10戦はクラムニクの勝ちで、ポイントは再びイーブンに。