故福井資明八段に九段を追贈

北海道で精力的に活動し、1972年に死去した福井資明八段に、11月17日付で九段を追贈することになったそうです。

上でリンクした東奥日報の記事ではアマ九段となっているのですが、これに関して社団法人北海道将棋連盟のホームページで次のような見解が出ています。

東奥日報記事においては 福井資明氏をアマという扱いで掲載していますが、昭和16年9月に将棋大成会正式会員になっています。(当時の北海タイムス社記事に記載あり)これはあくまでプロ棋士としての扱いであり、昭和25年に8段を允許された際もアマの段位とは明らかに異なる文面であり、当時アマにそのような高段が贈られることはなかったことからも明らかです。

将棋界に関心のある方は、プロの段位とアマの段位が全く異なるものであることはご存じと思います。現在のようなプロ制度が確立していなかった戦前においては、どこまでをプロと認めるべきかという一般的な基準を設けるのは難しい部分もあるようです。日本将棋連盟物故棋士紹介には福井資明八段の記載がなく、今回の日本将棋連盟の記事にもプロかアマかに関して書かれていないのもそうした事情を反映しているのかもしれません。ただ、個別の棋士を見れば明らかにプロと認められる人はいるはずで、上にあるとおり、八段という段位はプロでしかありえなかったのは確かだろうと思います。現在でも、アマチュアで八段はごく少数の方にしか認められていません。

10月11日追記:

上の将棋パイナップルのリンク先の書き込みにあるように、丸く収まったようです。ウェブ上の東奥日報の記事からは「アマ」の文言が削除されました。良かったと思います。そのような事情で、上記の引用はすでに削除されています。

なお、「北海タイムス」については時代によって複雑な流れがありますので、下記でいただいたコメントおよびWikipediaの記事を参照下さい。(はてなキーワードの解説は不十分です)