女流棋士が新法人設立へ 臨時総会で決議

将棋の女流棋士会藤森奈津子会長、53人)が1日、東京都内で臨時総会を開き、日本将棋連盟米長邦雄会長)から独立する方針を決めた。今後、連盟の理事会と協議したうえで、新法人の設立を目指す。

総会では、「女流将棋協会(仮称)の法人格取得のための設立準備委員会設置」についての投票を行い、賛成多数(賛成44、反対1、棄権8)で設置を決めた。総会終了後、藤森会長らが「独立に向けた協議の場を設けてほしい」との申し入れ書を理事会に提出。西村一義専務理事が「誠意を持って対応したい」とのコメントを出した。

スポニチ(共同)の記事によると、出席者は現役48名、引退5名。委任は13票あって、そのうち賛成が12、棄権が1とのことです。どの程度の割合の女流棋士が賛同しているのかを気にしていたところ、結果は賛成44、反対1、棄権8ということで、賛成が8割超。十分に多いですが全員一致とはいかない微妙な比率です。「この日は反対意見もあったが、藤森会長は『最後には納得していただいた』と語った」とあるので、当初は反対の女流棋士ももっといたのかもしれません。

ともあれ、これで本格的に新組織へ移ることが決まりました。日本将棋連盟との関係は、日経の記事によると「会見した藤森奈津子女流棋士会長によると、米長邦雄連盟会長は『独立が決まったら全面的に応援する』と話したという」ことから、うまくいくという話のようです。「女流棋士協会(仮称)」が法的にどのような地位を持つことになるのか今のところ不明ですが、法人格取得を目指すということです。どの種類の法人なのかが問題になるでしょう。

決議に続いて設立準備委員会が組織され、委員が次の10名に決まりました。

法的な面からの懸案事項も多いので、弁護士の方の力がやはり必要ですね。全く新しい組織を作ることはどんな場合でも容易ではありません。これから当分の間、女流棋士にとって苦労の多い時期が続くと思われますが、33年前に女流棋士が初めて誕生したときも苦労があったのだと思います。これから女流棋士になろうとする女性のためにも、新たな道がしっかりと築かれるように期待しています。