加藤一二三全集欲しい!

将棋世界2007年1月号の名人戦特集についてはまた後日となってしまいました。

名人戦に関係ないこととして、加藤一二三九段が書いた次の部分は多くの人の注目を集めたと思います。

私は芸術が好きで、モーツァルトの名曲や、ラファエロやフラアンジェリコの名画に接する事がある。音楽は演奏を聴いて感動し、絵は解説なしで楽しみ、感動出来る。これと比べて、将棋は絶対に解説が必要なので、私は長年にわたって自戦記を書いて、本誌と「近代将棋」誌に発表してきた。何れまとめて全集本にしたいと考えているが、何しろ勝局だけで千局をはるかに上回っている。絶対に役立つ本だが、出版の宛はない。

私はこれまでに本を四十五冊ぐらい書いてきて、最近でも四冊出して好評を得ている。数限りなく名局を指してきたので、本や原稿の資料はいっぱいある。棋士として出版でも経営に寄与したいと思い、本誌の編集長に、また単行本の部長とも、立派な作品に昇華したものは、それだけが持っている力で、売れると信念を持って話している。

実に加藤九段らしくていいなあと思うのですが、内容が良ければ売れるというほど単純なものでもないでしょう。やはり値段と内容のバランスだと思います。今の時代ですので紙よりもコンピュータを使える媒体の方が便利ですね。DVDでNHK杯の映像も収めるなどして、そうですね、どこまで収録されているかにもよるのですが3万円なら迷わず買います。

升田幸三全局集』がちゃんと売れていればこういう話も前に進みやすかったのでしょうけども。