武者野vs米長訴訟が和解 解決金800万円

日本将棋連盟米長邦雄会長が監修した将棋ゲームソフト「みんなの将棋」に著作権を侵害されたとして、プロ棋士の武者野勝巳さんが米長会長やソフト販売会社、同会長が代表を務める会社に約4100万円の損害賠償を求めた訴訟は東京地裁高部真規子裁判長)で和解したことが25日、分かった。

武者野さんによると、米長会長ら被告側が800万円の解決金を支払い、月刊誌「将棋世界」などに謝罪広告を出すことが和解の内容という。

12月27日追記

開発したパソコン用将棋ソフトの類似品を制作・販売され著作権を侵害されたとして、プロ棋士の武者野勝巳六段が社長を務めるソフト制作会社「棋泉(きせん)」(東京都新宿区)が、米長邦雄日本将棋連盟会長とソフト制作会社「サクセス」(品川区)などに約4100万円の賠償を求めた訴訟は22日付で、東京地裁で和解が成立した。米長会長側が著作権侵害を認めて謝罪し、解決金800万円を支払ったうえ、将棋専門誌2誌に連名で和解の「ご報告」を掲載する内容。

毎日新聞の記事には武者野勝巳六段のコメントも掲載されています。

▽武者野六段の話 棋士同士でいつまでも対立していてはファンに申し訳ないと思った。米長会長側が明確に著作権侵害を認めており、実質的な勝訴と思っている。

しかし、マリオ武者野のホームページには何も動きがありません。また、米長邦雄永世棋聖側のコメントは新聞記事でもオンラインでも何も出ていません。ただし、米長永世棋聖さわやか日記12月23日(土)16時49分5秒付で12月22日の行動を次のように記している部分があります。

午後は裁判所へ。年末は和解やらも多く司法関係者が一番忙しい時期らしいです。師走でなく司走か。

両者の公式見解は、将棋世界ほか1誌(近代将棋?)に掲載される予定の「ご報告」で明らかにされることになるのでしょう。武者野六段のコメントにあるように米長永世棋聖著作権侵害を明確に認めているのかどうかはまだ明らかになっていませんが、判決が出て被告に800万円の支払いが命じられたとするなら原告の勝訴と言えますので、その意味で「実質的な勝訴」という表現は正しいのかなと思いました。800万円は被告側でどのように分担するのでしょうね。

この裁判の話題は過去にこのページでも取り上げてきました。2005年のエントリは、独断で選ぶ2005年の将棋界十大ニュースの第4位にまとめてあります。その後、この裁判に関する情報はほとんどでてこなくなり、2006年7月9日に取り上げた武者野vs米長裁判の進行状況で「和解を模索する展開」という話が出て今回の和解成立に至りました。(ただし、最近は駒音掲示板をよく見ていなかったので何か見落としている可能性があります。)

どの要素について著作権侵害が認められたということになったのか、ソフトの契約関係がどうなっていたのか、いろいろ気になることはあるのですが、広告を出して終わりということだと第三者からはすっきりしない終わり方かもしれません。予想された展開の一つではありますけども。