里見香奈女流1級がレディースオープン決勝進出

12月14日に行われたレディースオープントーナメント準決勝で里見香奈女流1級が勝ち、決勝三番勝負で矢内理絵子女流名人と対戦することになりました。第1局は2007年1月11日に行われます。

今期の女流棋界は里見女流1級の躍進が目立ちます。女流名人位戦B級リーグでは7勝2敗でA級昇級となり、来年4月に女流初段になることが内定しました。今期はその2敗を除いてここまで負けなしの14勝2敗(勝率 .875)です。清水・中井の2強に矢内・千葉・石橋の1980年生まれ3名が追いついてきたというのが最近の状況でしたが、それに続くのが昨年10月にデビューしたばかりで現在最年少の14歳(1992年生まれ)の里見女流1級となるのでしょうか。迎え撃つ矢内女流名人も女流棋士相手には今期8勝1敗と実力を発揮しており、好勝負が期待できそうです。

この活躍は、朝日新聞12月18日付夕刊にも「ネットで奮戦誓い大飛躍の兆し」として取り上げられています。

恥ずかしがり屋で言葉少な。父彰さん(45)と母治美さん(45)の助けも借りて聞きだした内容を総合すると、好調の理由はインターネットのようだ。

(中略)

この秋から、プロ棋士棋譜を収録したデータベースも使い始めた。お気に入りは、故・大山康晴十五世名人。「形にとらわれない受けが、すごい」

そんな棋譜調べ5局、ネット対局3〜5局、そして詰将棋10題が日課。「決めたことはやり抜く」根気強さは、3年間で県総体に出場するまでに上達した卓球の腕前にも表れている。

まだ若いのでこれからどんどん強くなるのでしょうね。がんばってほしいと思います。

ところで、今回の三番勝負に関して次のような話が出ています。

「インターネットでの中継の都合で」三番勝負がすべて東京の将棋会館で行われるという話。里見女流1級は関西所属で島根県の実家から通っていて、東京まで出向くのはより大変になるのは確かです。関東・関西という枠だけでなく、ファンのことを考えていろいろな取り組みがあるべきだとは思いますが、難しい問題ですね。近年、関西所属の女流棋士が力を付けてきているため、こういった問題は今後も出てくると思われます。