ネット棋戦の課題

お伝えするのが遅れましたが、12月25日の読売新聞夕刊に「大和証券杯ネット将棋棋戦」に関する記事が掲載されています。「『公式戦』には課題山積み」という見出しの通り、やはり、プロ棋士が自宅で対局するというシステムに疑問の声が出ています。

同棋戦設立の記者会見でも同様の質問があり、米長邦雄・連盟会長は「棋士が他人(やパソコン)の意見を聞くことはない」と断言したが、具体的な対策については言及しなかった。

その後、連盟側は自宅で対局中の棋士を監視するウェブカメラを設置するため、参加が決まっているタイトル保持者など9人にアンケートを取った。

その結果、渡辺明竜王のように「自分で考え出した妙手順の詰みをパソコンに書けたのかと疑われては困る」とカメラ設置に積極的に賛成する棋士もいたが、「プライベートな部分は見せたくない」という反対意見も複数あった。

自宅にカメラを設置されたくないという感覚は自然なものだと私は思います。この記事に書かれているとおり、希望する棋士将棋会館関西将棋会館にあるパソコンを使って対局できるようにする方が良いのではないでしょうか。しかし、記事によると「大和証券側が自宅で株取引ができるということをPRする目的もあり、棋士の自宅対局は譲れないという」だそうです。

棋戦創設で連盟が受け取る収入は、渡辺竜王と将棋ソフトに関する3000万円と初年度のシステム開発費用を含めても年間1億円といわれる。

という記述もあります。数千万円でどのくらいのシステムを開発できるのかよくわからないのですが、高い要件が求められるのでしっかりと構築してほしいものです。近将カップなどの過去の経験も役に立つはずです。ふと思ったのですが、対局者が遅刻したらどうなるのでしょうね。もし持ち時間から3倍引かれるのなら、持ち時間を可変にできるようにしないといけません。ほかにもいろいろな場合を想定しておく必要がありそうです。