将棋を教えた萩本欽一
こんなエピソードも。約30年前、放送作家志望の若者が萩本家に住み込んでいた。ところが師匠が教えてくれるのはマージャンと将棋だけ。若者は「いつ書かせてくれるのか」と焦りつつ、将棋盤の前でひたすら耐えた。5年近くがたったある日、欽ちゃんは突然言った。
「おめでとう。おまえは明日から作家だ。一生懸命、おまえのために仕事を取ってくるよ」
この時、将棋盤に落ちた若者の大粒の涙を、欽ちゃんは今も忘れない。後に「欽ドン」「欽どこ」の構成を手がけ、最近は「王様のブランチ」「SMAP×SMAP」でも活躍中の放送作家、鶴間政行さん(52)の修業時代のエピソードである。
将棋を指すことが何かに役立つというありがちな話ではなく、ただただ無駄を重ねることに意味があるというところに他とは違うものを感じました。
萩本欽一は2006年のNHK新春将棋番組に出演して強さを見せました。いかにも実戦派な指し口でしたが、それだけ指していれば当然ですね。