田島秀男氏の超難解作

詰将棋パラダイス2006年12月号で出題され、2007年3月号で解答発表があった田島秀男氏の長編詰将棋が話題になっています。解答で正解手順が1ページ弱にわたって書かれているのは長編作品では珍しいことではありませんが、そこから変化・紛れが3ページにわたって書かれているのは非常に異例のことです。このような増ページが認められたのは、そのように変化・紛れを記すことが作品の理解に不可欠だと判断されたからにほかなりません。

誤解していただきたくないのは、作者はそのような変化の難解さを狙って創作したわけではないということです。詳しくはリンク先をご参照いただくとして、これまでになかったような構想・趣向を成立させるために、ぎりぎりで詰んだり詰まなかったりする手順が求められたということです。田島氏の作品にはいつもそうした超人的な読みが含まれていて、私には想像もできない世界です。ぜひ一度見ていただきたいと思います。