王将戦挑戦者争いはプレーオフに

王将戦本戦リーグ最終局3番が、本日同時刻に行われました。棋譜などはMainichi INTERACTIVE 将棋で無料でご覧になれます。

森下卓八段 対△谷川浩司王位 の対局は、横歩取り8五飛から後手が王手飛車をかける定跡に進みました(と書いただけでわかる人はどれほどいるのだろうか)。激しい攻め合いとなりましたが、先手が余していたようで107手までで森下八段の勝ちとなりました。この変化は今後も登場すると思われます。

谷川王位が敗れたことで、▲佐藤康光棋聖 対△久保利明八段戦の勝者に挑戦の目が出てきました。この将棋は相穴熊に進みました。その後中盤で後手の振り飛車側が桂交換から先にと金を作ったことにより、先手の無理攻めを誘うことに成功し、駒得から寄せを余して136手で後手が勝ち切りました。

これで王将戦挑戦者は、久保利明八段と今日対局のなかった森内俊之竜王とのプレーオフで決まることとなりました。谷川王位が最後2戦を連敗して挑戦権を逃したあたり、森内竜王に流れが来ています(森内ファン的独断)。

なお、森下八段は今日の勝ちで八段昇段後公式戦250勝を達成し、九段昇段を決めました。めでたい話であることはもちろんですが、森下八段に限ってはタイトルのないまま九段というのはもの足りません。横歩取りの流行が棋風にそぐわなかったとか理由はいろいろあるのでしょうが、無冠のまま終わる棋士ではないはずです。さらなる活躍に期待したいと思います。