棋譜をオープンな環境に置いてみたい

雑記帳(メジャーリーグ、将棋、抜書き) by Mochio Umeda1月23日分より。

将棋の世界は、新聞各社との契約ゆえ、棋譜はネット上で無償公開されないのが原則である。その原則まで覆そうと改革を試みれば大変なことになるが、少なくとも、こうしたネット上に無償公開されている数少ない棋譜に対してだけからでよいから、一つの棋譜をめぐって、さまざまな棋士やファンが自由に解説や感想を書き込むインフラが出てくるといい。インフラとしてのシステムは単なる掲示板システムの流用などではなく、棋譜というデータの性格をきちんと反映した独特の処理系とユーザ・インタフェースとが内包されたものであるべきで、そのインフラが標準化されて蓄積されていくといい。一つの棋譜から、オープンな環境でどういう派生的(デリバティブ)な価値が生まれるかの実験を、将棋界は新聞社も巻き込んで行なうべきときに来ているように思う。

ほとんどのタイトル戦の棋譜はウェブ上で無料公開されていますが、それ以外の一般の棋譜を公開しているところは多くありません。現在無料で見られるのは次の棋戦です。

棋譜についてのコメントを付けるだけなら外部で勝手に掲示板システムを用意する方法もありますが、独自の処理系を構築するとなると組織的なプロジェクトが必要です。そのためには外部からきちんとした技術者を招かなければ無理でしょう。関係者の方はぜひ検討していただきたいと思います。