URLを変更しない

突然ですが、上のページは日本将棋連盟サイト内の渡辺明五段の紹介ページです。URLの中に「5dan」という文字列が入っているのがわかりますね。

遅くとも数年以内に渡辺五段は六段へ昇段するでしょう。そうすると紹介ページはhttp://www.shogi.or.jp/syoukai/6dan/watanabe-a.htmlへ移転することになります。もし渡辺五段がタイトルを獲得すればhttp://www.shogi.or.jp/syoukai/title/watanabe-a.htmlへ移ります。このように肩書きに変更があるたびに、連盟サイトを管理している方はファイル移動の作業を行っているのです。

一方、関西将棋会館女流棋士会ではもっとシンプルな方法が採られています。例えば、中井広恵女流二冠の紹介ページのURLは、http://joryukishikai.com/prof/nakai.htmlです。ご覧になってわかるとおり、肩書きが変わってもURLは変わりません。

前者と後者を比べると、後者の方が作業量が少なくてすむことがおわかりいただけると思います。これはURLが変わらないことのメリットの一つです。しかし、メリットはこれだけではありません。

公式サイトには、棋士紹介以外にも様々な情報が含まれています。例えば、女流棋士会女流棋士年表では年代順にプロ入りした女流棋士が並べられ、個々の棋士紹介ページへリンクが張られています。わかりやすくて便利ですね。それに対して日本将棋連盟のサイトでは、棋士紹介ページの外からリンクを張られている箇所は、タイトル戦の対局者などを除いてあまりありません。これは、あまりリンクの数を増やすとURLが変わった際に修正作業が大変になるためでしょう。URLが不変でないと、他のページ作りにも影響を与えるのです。例えば、棋士紹介の師匠の欄でリンクを張れば便利かもと思ったとしても、変更の手間を考えて断念するようなことになりかねません。

このようにURLが変わらないことの重要性を説く際にはクールなURIは変わらないが持ち出されることが多いようです。そこに書いてあることが実行できないとしても、可能な範囲で改善していきたいものです。

と長々と書いてきましたが、このはてなダイアリーを含め、ウェブログと呼ばれるページは多く不変なURLを具えています。恒久的な(permanent)リンクということで「permalink」と呼ばれたりするようです。ココログでは「固定リンク」と訳されているようですね。はてなダイアリーの場合は、小見出しの左側にある「■」でリンクされているのがこの固定リンクです。特定のエントリーへリンクしたい場合はそちらを利用されることをおすすめします。