持将棋の点数制を廃止するとどうなるか

持将棋に関連して興味深いやりとりがありました。発端はエリオスさんの「駒数の如何にかかわらず、入玉形で相手を詰ますのが不可能と双方が判断したら引き分け。」という提案です。こうして引き分けが増えることについては「引き分けになりやすい構造が将棋にあるのであれば、それを無理に避ける必要はないはずです」ということで、私も問題ないと思います。

問題があるとすれば、どうやって「詰ますのが不可能」と判断するかだと思います。お互いに入玉して成駒でがっちり守られていたとしても、駒数に一定以上の差があれば、量産したと金をひきつけることによってさらに駒得を拡大し、最終的に詰みに結びつけることができるかもしれません。そのようにして詰ますことが可能だとしても、何百手もかかってしまうので実際に指し続けて決着を付けることは現実的ではないのですが、「詰ますのが不可能」とは言えないと主張されたときにどうするかは問題として残りそうです。

これは現行ルールでも問題となりうるのですが、詰ますのが可能なほど駒数に差が付いているときはおそらく24点ルールでは勝ちになる場合が多いと思われるために、実際に問題となる場面は多くありません。点数制を廃止するならば、相入玉でどの程度駒得していれば詰みに持ち込めるかという研究が必要になると思います。