詰将棋作品の発表場所

看寿賞」は現在の詰将棋界でもっとも権威ある賞です。その特徴の一つは「毎年1月1日から12月31日までに発表されたすべての詰将棋作品を対象とする(新聞・雑誌・単行本等の作品はその発行日付による)。」とあるように、見落とされがちなマイナーなものも含め多くの作品が対象とされていることにあります。(例えば、塚田賞は近代将棋誌に掲載されなければ受賞できません。)

ところが近年のインターネット利用の興隆に伴い、ウェブサイト上で公開された作品が看寿賞の対象となるべきかという議論が起こってきました。何をもって「発表」とするのかが議論の根幹です。

「紙媒体に掲載されてはじめて『発表』となる。したがって、インターネットでしか公開されていない作品は看寿賞選考の対象とならない。」というのが現状における解釈です。看寿賞に関する部分にとどまらず、果たしてそれで良いのかどうか。上記のリンク先ではそのような問題提起がなされています。「ご意見お聞かせ下さい」とのことですので、関心のある方は思うところを書き込んでみてはいかがでしょうか。

私の意見ですが、看寿賞のあり方はとりあえずおくとして、インターネット上で公開された作品を「発表」されていないとするのは、現状では強弁のように思えます。これからはますますインターネットの利用が進むでしょうから、このままでは立ちゆかなくなるでしょう。これはどうあるべきだという問題以前に、そうなっているのが現状だという認識です。

賞に関する話に戻ると、インターネット上の作品も対象とした場合に「記録性」の問題が懸念されているようですが、私はそれよりも作者が誰なのかはっきりしなくなることを心配します。そういったことも含めて、TETSUさんの提案は様々な問題を同時に払拭してくれるのではないかと思います。

  • 候補の推薦受付時に、ネット上の作品を含め推薦してもらう
  • 候補作を詰パラ、ネット(全詰連か詰パラHP)の両方に掲載する