『決断力』が累計20万部に迫る

羽生善治四冠の『決断力』がよく売れていて「ただいま六版、二十万部に迫る勢い」だそうです。たしかにこの本に関する言及は、将棋関係の図書としては例のないほど多く見られます。

「実は羽生さんが一般書を書くのは初めてなんです」と角川書店新書編集長の永井草二さん。「将棋の解説本や講演を下敷きにした著書は多数ありますが、ようやく書いてもらうことができた」としみじみ語る。

というのも、永井さんが最初に羽生氏に執筆を依頼をしたのは九年前。二十五歳で将棋史上初の七冠を達成した後だった。「プロ棋士として本を出すつもりはない」と断られること数回。ついに昨秋、快諾を得た。

「心境の変化があったのでしょう。九年の間に苦難も経験した。若き天才も人間味が増したというか、成長されたのでしょう」(永井さん)。羽生氏自身も「才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている」と印象深い言葉を記している。

同じ出版社から5年前に出版された谷川浩司九段の『集中力』も増刷がかかっているようで、この間書店に行ったら2冊の本が並んで平積みにされていました。これだけ多くの人に受け入れられるというのは、それだけの内容がある証拠でしょうね。(参考:羽生善治四冠の『決断力』