コンピュータ対プロ棋士の対局を制限

日本将棋連盟理事会は14日、同連盟所属のすべての棋士女流棋士に、公の場で許可なく将棋ソフトと対局しないよう通知したと発表した。「プロ対ソフト」をビジネスチャンスと捕らえている理事会が、なし崩し的にプロが敗れることがないよう歯止めをかけた。

きっかけは9月に石川県小松市であった公開対局。五段の棋士が途中まで不利な戦いを強いられた。危機感を持った理事会は「企画がある場合は必ず事前に申し出をお願いします」と6日付の会報で通知。会見で米長邦雄会長は「破った者は除名」と強い決意を示した。

西村一義専務理事は「下位の棋士でも負ければ『プロ棋士が敗れた』となる。ソフトが弱かった時と状況は変わった。プロ対ソフトは見方によっては商品価値がある。企画の話があれば連盟として慎重に対応したい」と話した。

私が以前書いたエントリで言うと、10月4日の「その日」に向けてと10月9日のコンピュータとプロ棋士の対局棋譜の公開を制限へが関係しています。

ずいぶん極端に走っているなという印象を持ちました。最近将棋ソフトに関する話題が増えたことで注目が集まっていますが、将棋ソフトの進化はずっと前から着々と進んでおり、ここ数年で急激に実力を増したというわけではありません。早指しでないという条件は付きますが、ソフトの特性を理解した上で油断せずに指せばプロ棋士が平手で負けることは現時点ではないはずです。少なくとも、駒落ちの対局を制限する理由はないでしょう。

プロ棋士がコンピュータと対局することはソフトの開発に役立つばかりでなく、イベント企画としても注目を集めるものです。それを制限することに寄るマイナスを考慮した上でのことなのかどうか不安に感じます。事前に届け出れば原則として許可がでるのであれば問題ないのですけども。

ところで、上記記事の最後にプロ対ソフトの企画を打ち出す用意があることを示唆する発言があります。現在進行中の瀬川氏のプロ編入試験に匹敵するような企画を1年に1回くらいの頻度で打ち出していきたいという意向があるのかなと想像しました。

10月15日:関連リンク追加。この問題への関心の高さがわかります。

10月19日追記