週刊将棋で編集長交代へ

週刊将棋5月10日号で編集長の小川明久氏のコラム「茶柱」で次のように書かれていました。

今月中に編集長を交代することとなりました。後任は日比生康弘君。パソコン雑誌編集長からの異動で将棋事業は初めてですが、同好会の毎コミ将棋部部長を務めているように将棋への愛着は人一倍です。

しばらくは引き継ぎもあって二人三脚ですが、完了すれば久しぶりの専任編集長となります。優秀な人員を増やせたのは、本紙の収支が大きく改善されたことが一因で、ご購読いただいている皆様には感謝の念でいっぱいです。また関係者の皆様、ご協力ありがとうございました。今後とも本紙へのご愛顧・ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。

結局、編集長には前回が3年、今回が1年10カ月いました。(後略)

まずはじめに、週刊将棋の収支が改善したというのは良いニュースですね。昨年2月におよそ1割の値上げがあったものの、購読者数は最近になって持ち直したということでしょうか。

で、本題ですが、交代は前年残念に思います。神崎健二七段が「あらかじめ期間が決まっていたのか、突然の交代なのかはわからないが」と書いているとおり、そのどちらかのかが問題ですね。後者、それも強制的なものなのではないかと疑わせる事情がいくつもあるだけに、余計残念になります。

  • 1年10カ月というのは決まった任期としては中途半端。
  • 5月中という時期も中途半端。
  • 「収支改善」という実績があるなら、普通は辞める理由はないはず。

そこで、5月3日に名人戦契約問題についていろいろ(15)で触れた話につながってくるわけです。小川氏が連盟理事会に批判的な記事を書き、それに対して米長邦雄永世棋聖が「記事は事実と違うことがあり、不安を煽ったりして極めて良くない」と日記に記し、同時に「話し合い」を持ったというところまでは確かな話です。どうなんでしょう。

どうなんでしょうというのは、要するに米長永世棋聖が小川氏を辞めさせたのでは?という話です。それはそういう疑いも残るというだけのことで、さすがにそこまで露骨なことはしないと思うのですが、週刊将棋の発行元は日本将棋連盟と言うことになっていて、米長永世棋聖日本将棋連盟の会長なので、そういう権限は一応あるということになっているのではないかと思います。将棋世界とは違って、週刊将棋は編集作業を実質的に毎日コミュニケーションズで行っているので、日本将棋連盟に対してそれほど気を遣うことはないと私は思っていたのですが、そうでもないのかなと思いました。

本当にそういうことがあるとするとだいぶ終わりに近づいていると思いますが、さすがにそれはないだろうとも思います。否定できるような材料がほしいです。