自作のフェアリー詰将棋作品集

久しぶりの更新になります。フェアリー詰将棋作品集『新約・神詰大全』で自分の作品集を書きました。

『新約・神詰大全』は、10名の著者による既発表の自作集を中心とするフェアリー詰将棋作品集です。表題が大仰なのは、あまり気にしない方がよいかと思います。それぞれの作者の着実な歩みを軸にした内容で、ここ10年間ほどのフェアリー詰将棋の発展の一端を目にすることができます。

一番の目玉は、神無七郎氏が執筆された森茂作品集でしょう。2006年に逝去された森茂氏は、フェアリー詰将棋ではばか詰(協力詰)やばか千日手(協力千日手)などで、特に長編作品で印象に強く残る作品を生み出しました。神無七郎氏はその中から2000年以降に発表された10作品に詳細な解説を加えています。作品の構成を論理的にわかりやすく伝えることに関して、七郎氏の解説が特に秀でていることは将棋世界の付録に「ミクロコスモス」の際の解説文を読んだ方はよくおかわりかと思います。今回の森茂作品集では、ページ数の制約がないということもあり、さらに読み応えのある作品集に仕上がっています。

私の部分は、自作の中でも玉が動かない「不動玉」の作品に絞るという切り口で自作集を書きました。玉が動かない分、王手を複数の方向からかけて駒を動かしていくことが必要になります。それらをどう実現しているのかは作品集でご覧いただければと思います。

この作品集はPDF版で作られましたが、東日本大震災への義援金に協力するため、お志を送金していただいた方にのみ公開する形になりました。金額はごく少額でかまいません。全額を義援金として寄付させていただきます。申し込み方法は上記のリンク先をご覧ください。送金が必要なのは少し敷居が高いと思いますが、まずは抜粋版だけでもご覧くださればうれしく思います。抜粋版では、各作者のまえがきと掲載作品の一覧が収録されています。