囲碁でも免状売り上げは苦戦

本棋院の免状発行はこの10年間、漸減傾向で歯止めがかからない=グラフ。

96年度に7354通だったのが、05年度は2791通。約62%減った。

30年前の最盛期には年間2万通を超えていた。減る理由について「囲碁愛好者の減少」「免状の権威低下」「高額な免状料」「免状と実力の離間」「時代の感覚に合わなくなった」などが指摘されている。

将棋界の話は「将棋ビジネス」考察ノート:収支計算書の考察(3) 免状収入について囲碁界の話も含めてありますが、将棋よりも囲碁の方が落ち込みが激しい感がありますね。免状は税金がかからないこともあって利益率が高いので、減少が与えるインパクトは見かけ以上に大きいのではないかと思います。

将棋の場合は免状には必ず竜王と名人の署名が入りますが、囲碁ではそういうことはなかったようで、これから始めて行こうということのようです。日本将棋連盟では瀬川晶司四段の免状とか「福寿記念」免状とかいろいろなことをやっていました。現在は「羽生善治特製色紙プレゼント」キャンペーン実施中だそうです。おまけをつけるとか取得要件の緩和とかは結局のところカンフル剤でしかないとは思うのですが、それで何とかもっているのならやった方がいいのでしょうね。

個人的には免状をもらおうと思ったことがないので、免状を取得する人がどのような動機でお金を出しているのかわからないのですが、免状発行が減少しているのはネット対局の普及も関係あるのではないかと思っています。実力を認定してもらうという意味では免状は形骸化しているという状況は以前からありましたが、「24で初段です」などと言えば通じるようになったことは決定的だったかなと。そうすると、将棋倶楽部24を買収したことも関係してくるとかいうこともあるでしょうか。