NHKBSで「大逆転将棋2004」

29日にNHKBS2で放映された大逆転将棋2004を見ました。見ながらメモを取ってみました。急いだので間違っているところがあるかもしれません。

第一局「探る大捜査線将棋」

  • プロ側からは清水市代女流二冠と中井広恵女流二冠が登場。
  • この2人が同じ局面を見ながら指し手を決めて、もし2人の指し手が食い違った場合には指し手が認められず、何も指せないまま相手に手番が渡るという厳しいハンディ戦。(ただし王手をかけられた場合は、全体を通して1回だけ指し直し可。)
  • アマ側の挑戦者は歌手の山本穣二。「親父(北島三郎)がとても(将棋を)好きなので相手もしなきゃいけないというんで……」
  • 4月14日名人戦第1局の投了図から指し始める(羽生善治名人が早い投了で周囲を驚かせた将棋)。もちろん森内俊之竜王の側を山本穣二が持って指す。
  • 名人戦とは先後逆で)△8六歩 ▲同歩 △7三桂 ▲7七金 △同桂 ▲6三角 △5三金 ▲7四角成 △6五桂となったところで▲7三馬 に木村一基七段「これはいい手ですね。」とコメント。その言葉通り、ここで中井女流二冠が△7七桂成、清水女流二冠が△8一飛と意見が食い違い、パスとなって▲8二馬を許してしまう。
  • その後▲7二飛の王手に合駒が食い違って、王手の場合の1回の指し直しを消費。
  • さらに次の手で中井女流二冠が△5九銀、清水女流二冠△5六歩と食い違い、その次の手では互いに逆に書いて再び食い違う泥沼。3度目でようやく△5九銀で一致。
  • しかし2人が手間取っている間、速い攻めを見出せず、逆に金を丸損する山本穣二。
  • そうこうするうちにいつの間にか後手陣は4枚美濃の堅陣に逆戻り。そして、穴熊の上部から猛攻を受けて、必死に追い込まれる先手。
  • 後手玉には明らかに詰みがないものの、王手の対応で2人に食い違いが生まれれば……という狙いで王手をかけ続ける山本穣二。しかし、間違えない2人。
  • しかたがないので、後手の要の馬にあてて一時的に詰めろをしのぐ先手。ここで寄せに食い違いが生じて、後手は馬を取られてしまう。
  • たくさんもらった駒を生かして先手玉を詰ましに行く後手。しかし、どうやっても詰みそうなところで手が合わない2人。
  • そこでせっかくの指し手を受けにならない受けに費やして、逆に指し手をわかりやすくしてしまう。
  • ということで、プロの2人の勝ち。
  • やはりあそこから勝つのはアマには大変ですね。

第二局「脳内対局10秒将棋」

  • ここまでこの企画で2回勝っている木村一基七段に挑戦するのは佐藤康光棋聖
  • 先手が佐藤棋聖
  • 相矢倉脇システムから角交換せずに▲2六銀。
  • 谷川浩司二冠「この将棋は歩をたくさん交換するので、歩の数に注意が必要ですね。」
  • 後手玉頭への継ぎ歩攻めで桂をさばく先手。しかし、右銀の立ち後れが目立つ。
  • いったん駒損するものの、激しいもみ合いの中で先手の凝り形をとがめて駒得に転じる後手。
  • 先手はと金を2枚作っての攻めに対して、後手は玉頭から一気に寄せを狙う。
  • ということろで、木村七段は歩がないのに「△8七歩」のたたきを指してしまい反則負け。
  • 普通に面白い将棋でした。

第三局「やりたい放題将棋」

  • アマは初めに20手連続で指す。ただし駒は四段目までしか繰り出せない。
  • 21手目をアマが指して、そこからは普通に指す。
  • プロからはこの将棋の考案者という深浦康市八段。「私がやるとは思いませんでした。」
  • アマからはつるの剛士。(つるの将棋クラブ)「5年くらい前に将棋にはまりまして、気付いたら本棚に将棋の本がずらっと。」
  • 7六歩5六歩9六歩9七角5八飛4八玉3八玉2八玉1八香2八銀3九金5九金4九金左3八金左6八銀5七銀4六銀3七桂で20手。(谷川二冠が前回に理想型として示した図に近い。)
  • 21手目は▲6五桂。いきなり5三の地点が受からない。
  • 銀桂交換から5筋の歩を伸ばして圧力をかける先手。後手は持歩がないので受けようがない。さらに右桂も攻めに参加させる先手。
  • 5三に集中放火する先手。久保利明八段「(野球でいえば)九回で10対0くらい。」
  • しかしどう見ても寄っていそうなところから、後手玉を1筋方面に逃がしてしまい粘りを与える先手。ここで秒読みに入る。
  • 龍を作るものの、重い形で王手をかけて玉を逃がしてしまう先手。すでに勝ちにくい形勢のよう。
  • 結局、苦しまぎれの端攻めを逆用されて、先手はあっという間に詰まされてしまう。
  • つるの剛士は駒を指す手つきが良かったと思います。

第四局「やりたい放題将棋Part2」

  • 今度はアマがプロの駒を21手動かせる。ただし20手目までは駒は四段目までしか繰り出せない。
  • 21手目は五段目まで繰り出せる。
  • その次の手からアマの手番から普通に指し始める。
  • プロからは久保利明八段。「さっきよりハンディがきついような気がするのですが。」
  • アマからはTHE ALFEE桜井賢。将棋駒をかたどったギターを手に登場。
  • 1四歩3四歩5四歩4四角1二香1三桂2二飛2一飛1一飛9四歩9二香9三桂8二銀7一角4二玉3三玉4四玉4二金3三金5二金で20手。そして、21手目が5五角。
  • そして▲7六歩△6四玉▲3三角成で金得。さらに金を打って角金交換で、結局角得。
  • しかし、そこから適当に指しまくりあっさり負ける桜井賢
  • もう少し工夫すれば、簡単に必勝形になりそうでした。

デビル神吉の双玉詰め将棋

  • デビルらしく?サングラスをかけて登場する神吉、華原。
  • あっさり玉を取られる桜井賢。玉を逃がすつるの剛士。また逃がすジェームス三木
  • そこでヒントを求められて、ほとんど答えを言う島井咲緒里女流初段。
  • 結局、誘導されながらなんとか正解に到達。
  • デビルになんの意味があったのかは最後までわからず。

第五局「大逆転投了図対局」

  • 投了図の敗者側をプロが、勝者側をアマが持って対局。
  • プロからは昨年に続いて谷川浩司二冠。「ゲストの方は最初の2・3手が勝負。それを逃すと勝ちにくくなるのではないでしょうか。」
  • アマからはジェームス三木。「何回も負けていられないからね。」
  • 1997年の名人戦第3局▲谷川△羽生戦の投了図(先手勝ち)から。光速の寄せが炸裂した一局。
  • 2三にいる後手玉に▲4一角と王手をかけたところ。後手玉に詰みはないが、うまく必死をかければ勝ち。
  • △3二歩合▲3五桂△3四玉に▲4五金△2四玉▲3二角成とすれば上部が厚く安全だったが、単に▲3二角成としたため先手玉が危険になる。
  • そんなわけできれいに詰まされる先手。
  • 投了図から落とし穴があるというのは、意地悪な選択だったと思います。

そんなわけで今日はこれだけです。