「待った」で、加藤一二三九段に出場停止処分

日本将棋連盟(会長・米長邦雄永世棋聖)は10日、元名人の加藤一二三・九段(65)=写真=が公式戦で指し手を変える「待った」の反則をしたとして、来期の同棋戦への出場停止と対局料相当額の罰金を科すと発表した。プロ棋士が「待った」の反則を取られ、出場停止処分を受けるのは初めて。

問題になったのは、CS放送「囲碁・将棋チャンネル」が5月26日に放映した「銀河戦」の対阿部隆八段(37)戦。加藤九段は終盤、敵陣に入った桂馬を「不成(ならず)」とし、その後、駒を持ち上げて裏返す「成り」に指し手を変えていた。対局時に阿部八段から「待った」の指摘はなく、結果は加藤九段の勝ちだった。

この対局の棋譜囲碁将棋チャンネルのページで閲覧できます。(要Flash

テレビ棋戦だったので「連盟の理事会はビデオで確認し「本来なら反則負け」と判断」という措置が可能になりましたが、普通の棋戦ならばその場の指摘が必要だったでしょう。明確な審判が付かない対局に関することは、対戦相手のクレームがあって初めて問題になるのが原則と思います。

追記:Yahoo!Japanのトップページに出ています。

11日追記:

対局相手の阿部隆八段の抗議にもかかわらず、対局が続行され、結果は加藤九段の勝ちで終わったが、放映後、反則ではないかという抗議のメールが連盟に10件近く寄せられていた。

毎日新聞では「視聴者から連盟に「加藤九段が途中で待ったをした」とのメールなどが数件寄せられたという」となっていました。共同通信では「視聴者から「待った」の反則ではないか、と抗議が殺到した。」となっていたのですが、この文面から想像されるより少ないように思います。

13日追記:この件に関して書かれているいくつかのウェブログへリンクを張っておきます。