反則の扱い

突然ですが、将棋における反則の扱いについて少し。

二歩を打ってしまったり、成れないところで成ってしまったりといった反則は、プロの将棋でもまれに起こり、即座に反則負けとなります。しかし、記録係の付かないアマの将棋では双方とも反則に気付かないまま指し進められてしまうことがあります。さて、そんな場合にどうなるでしょうか。次のうち正しいものはどれでしょう。

  1. 盤上に証拠が残っている限り(例えば二歩が残っているなど)後から指摘されれば反則負けとなるが、そうでないなら反則負けにはならない。
  2. 終局までに反則を指摘されれば反則負けとなるが、終局後に反則が見つかっても結果は変わらない。
  3. 終局後でも反則が見つかれば反則負けとなる。

真剣に考えた方には申し訳ありませんが、場合によってどれもあり得るというのが正解です。大会に出場される際には、反則に関するルールも事前に確認しておくことが肝要です。将棋パイナップルの運営を指しこなすスレには様々なトラブルの事例が報告されています。

とはいえ、プロの対局では一応の決まりがあり、上記の2.が正しいということになっています。

第8条 反則

対局中に反則を犯した対局者は即負けとなる。

  1. 対局者は相手の反則行為に対して、時計を止めて相手に反則の確認を求めることができる。
  2. 両対局者が反則に気がつかずに対局を続行し、終局前に反則行為が確認された場合には、反則が行われた時点に戻して反則負けが成立する。
  3. 終局後は反則行為の有無にかかわらず、投了時の勝敗が優先する(投了の優先)。
  4. 対局者以外の第三者も反則を指摘することができる。

ここで注意したいのが上の4.の規定です。「対局者以外の第三者」というのはプロの対局の場合は主に記録係になるわけですが、記録係がいれば反則に気付かないということはめったにないでしょう。しかし、アマチュアの大会では普通記録係は付かないため、この4.の規定がそのまま適用されるとは限りません。やはり事前に確認しておく必要があります。

ということで、次項に続きます。