大和証券杯特別対局で渡辺明竜王がBonanzaに勝利
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3月21日に平手で行われた大和証券杯特別対局▲Bonanza 対△渡辺明竜王の対局は、112手で渡辺竜王の勝ちでした。
渡辺竜王に挑戦したのは昨年5月の「世界コンピュータ将棋選手権」で優勝した将棋ソフト「ボナンザ」(保木邦仁さん開発)。実力はアマ六段レベルとされる。対局は持ち時間各2時間、なくなると1手60秒未満で指すというプロ棋戦に近いルールで行われた。
戦型は先手・ボナンザの四間飛車穴熊に渡辺竜王が居飛車穴熊で対抗。中盤、渡辺竜王が不利と見られる局面もあったが、最後は攻め勝った。
終局後、渡辺竜王は「思ったよりも強くてびっくりした。実力がプロに迫るくらいまできていると認めないといけない」と話した。米長会長は「渡辺竜王が負けることも予想した。ほっとしたというのが本当の気持ち」と話した。
9時のNHKニュースでも大きく取り上げられていました。一般のブログなどを見ると、この話題に対する反響の大きさに驚きます。
渡辺竜王の「思ったよりも強くてびっくりした」という感想には、自宅で研究していたときよりも今回のマシンのスペックが高くて実力が上がっていたということも関係ありそうです。今回使用されたのは次のような構成のマシンでした。
ボナンザの「将棋倶楽部24」におけるレーティングは2600点(アマチュア六段クラス)ほどだそうです。クローバータウンというCPUを使った今回のマシンでは「おそらく2800くらい」と保木さん。
Bonanzaに限らず、将棋ソフトの実力はマシンのスペックに大きく依存します。何年までに名人を破れるかといった予測がまがりなりにもできるのも、ハード面での予測が比較的たてやすいことと無縁ではありません。要するに、ソフトが進歩しなくてもハードの進歩だけで相当に強くなれるということです。コンピュータ将棋の実力がもう少し接近してくる次の機会には、三番勝負にした方が良いのではないかと思います。それとともに、コンピュータがどうやって勝ったときに本当に勝ったことにするのかも今のうちに議論しておくべきだと思います。
ところで、日本将棋連盟公式サイトでの順序で大和証券杯は銀河戦とNHK杯の間に入っています。よくわかりませんが、そういうものなのですね。